凡人なりに共感性を高めて、天才や秀才を活かせ!【天才を殺す凡人:北野唯我著】
「天才を殺す凡人」
タイトルに心を奪われましたね。
いや、心を奪われたというより、突き刺さったという方が正しい。
私自身、小さいなりに1つのチームの長でありますが、メンバー(部下という言葉は好きではないのでメンバーとします)が自分より有能だったら。
いや、有能なのに自分が伸ばしきれずに埋もれてしまったら。
最悪、力を発揮出来ずに退職してしまったら。
そういう思いは少なからず片隅にありました。
自分の下ではなく、あの人(思い浮かべる有能な上司)の下にいた方が、ウチのメンバーも成長出来るかもしれない。
なんて思いも最初は良くしてました。
だからこそ、
天才を殺す凡人
という言葉にナイフが突き刺さったのです。
この本を読んで、自分の行動が、よりチームメンバーの成長を促進できるようにしていきたいと思います。
この世には”天才”と”秀才”と"凡人"がいる
天才と殺す凡人。
では、天才とはどのような人だろうか?
IQが高い?生まれながらにしてバイリンガル?センスが凄い?
凡人とはどういう人か。
普通の人?ダメダメな人?
本書では、この世には3つのタイプの人がいると説明しています。
・天才
・秀才
・凡人
その3つのタイプの特徴を下記の一言で表しています。
・天才→創造性
・秀才→再現性
・凡人→共感性
ビジネスの世界に置き換えるとつまり、
創造性のある天才によって物事が作られ、
再現性のある秀才によって作った物事が拡大され、
共感性のある凡人によって拡大した物事をカネにする。
ということです。
創造性は数字では判断できない
再現性と共感性は数字を使って、規模の大きい・小さいが説明が付きます。
分かり易いところで言えば、
再現性は例えば、生産性
共感性は例えば、売上利益
しかしながら、創造性という部分については、数字で説明できません。
天才(いわゆる創造的なイノベーション)を殺してしまう一つの原因に、「数値で測れない」というのもあります。
数値で測れないから、特にビジネスの世界において、詳細な説明が出来ないので、実現させることが難しい。
ということです。
ただ、実は全く数字で測れないわけではなく、
「反発の量」
によって、間接的に測ることが出来る。と説明しています。
一部の天才によってもたらされたものは、実ははじめは様々な批判があった。ということはよく聞く話ですね。
つまり、天才の考えだした者は凡人には理解できないため、「そんなこと出来るわけがない」と反発をしてしまうので、反発の量が多ければ、それはより素晴らしいイノベーションだ。ということになり得るということです。
3つのタイプは「軸」が異なる
ではなぜ、天才の考えは理解されずに、批判されてしまうのか。
それは3つのタイプはそれぞれ、「軸」が異なるからだ。ということです。
軸とはつまり、前述でタイプと記載した、
天才→創造性
秀才→再現性
凡人→共感性
という軸です。
もう少し分かり易く言えば、
創造性→それはいかに世界が平和になるものか
再現性→それはいかに論理的なものか
共感性→それはいかに人が理解できるものか
と1つのものに対しても、軸が異なる。つまり視点が異なるので、それぞれの意見に理解が出来ないのである。
そして、世の中は”凡人”が圧倒的に「数」の優位があるので、革新的な”天才”の考えは、巨大な”凡人”によって潰されていく。ということです。
それぞれを繋ぐ「3人のアンバサダー」
では、3つのタイプの軸がそれぞれ違うなら、どのようにコミュニケーションを取ればよいのか。
それには、「3人のアンバサダー」がいると説明しています。
3人のアンバサダーとは、
・高い創造性と論理性を兼ね備えた人
・高い論理性を持ちながら、人の共感を得られる人
・高い創造性があり、人の気持ちも理解出来る人
つまり、ハイブリッドみたいなものでしょうか。
本書では、これを「3人のアンバサダー」と呼んでいます。
この3人のアンバサダーがそれぞれ違う軸を持った3つのタイプの間を埋めてくれるということです。
でも確かにいますよね。
めちゃめちゃ色んなこと思いつく上に、論理的で説明が分かり易い人。でも目線がみんなと合ってない。とか、
ロジックがしっかりしていて、且つ人の気持ちをいつも気にかけてくれる人。でも新しいことを考えるのは苦手。とか。
あー、いるいる。と思いました。
天才を救う凡人「共感の神」
前述の通り、天才は共感性が乏しく、再現性が低いので、自分が創造したことを人に説得できない。
なので、天才の創造は、サポートなくては成り立たない。
そこで天才を支えることが出来る、「誰が天才かを見極められる人=共感の神」が存在する。
つまり、共感の神は、あまりに共感能力が高いので、天才と秀才を見極められるという。
なので、共感の神が人間関係をサポートすることで、
作り、広げ、提供するというメカニズムが完成するわけです。
3つの軸とそれぞれを繋げるアンバサダーと神の存在で世界はより良くなっていく。ということですね。
アクションコミットメント
私がこの本を読んで感じたことは、
創造性も再現性も共感性もそれぞれ伸ばすことが出来る
ということです。
もちろん、タイプによって伸び幅は違うでしょうが、それぞれがそのタイプだからそれしか出来ないというよりも、全ての人は全ての軸を伸ばすことが出来ると思います。
それが本当の意味での「人の成長」だと思いました。
少なからず、私は、自分の周りにいる、もしくはいたメンバーに創造性が高い人、再現性が高い人、共感性が高い人それぞれいます。
私はそのメンバーをリスペクトすることにより、私自身がその力を伸ばすことが出来ています。
私は圧倒的に【凡人】です。
でも、あの人と会って創造性を伸ばす行動をしたな。とか
あの人から再現性について学んだな。ということが、本当にたくさんあります。
なので、私が行動することは、
【3つの軸を理解した上で、関わるメンバーに対し、リスペクトをすることで、3つの力を伸ばせるようにコミュニケーションを取る】
ということをしていきます。
成長の芽をつぶさない。
ということも、凡人の大きな力ではないでしょうか。
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